秋学期 第3回勉強会

 

こんにちは! 今週から、だんだん寒くなってきましたね。

 

9月30日開催の、秋学期第3回目の勉強会のテーマは、「アメリカ大統領選挙」。アメリカで高等教育を受けたことのあるメンバーがプレゼンを行ってくれたのですが、レジュメ、発表内容、ともにわかりやすく、かつ中身も非常に充実していました。そのおかげで、短い時間ながらも白熱したディスカッションを行うことができたと思います! 今回はそんなディスカッションの内容を中心にご紹介していきますね。

 

 

発表の流れ

 

1.基本的なアメリカの政治システム ~議会制民主主義、大統領になるには~

2.各党のポジションとヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプ両者の主張 ~戦争・平和、移民政策の観点から~

3.日本での報道状況について ~報道のされ方・内容の分析結果~

 

 

ディスカッションクエスチョン

 

(1)日本でも米国同様に選挙権が18歳以上に拡張されたが、我々日本の若者は平和のためにどのように政治参加すべきか? 既に自分がどのように参加しているか?

 

(2)仮にトランプが勝ち、米軍が日本から撤退した場合、日本は自国をどのように守っていくのか。(日本は核武装すべきか?自衛隊を拡充すべきか?そして、憲法改定すべきか。)

 

(3)クリントンとトランプで移民に関する政策がまっぷたつに分かれている(クリントン:移民歓迎、トランプ:移民反対)が、移民と平和の関係はどのようなものなのか。

 

以下に、ディスカッションで出た各グループの意見をまとめていきます。

 

 

(1)日本でも米国同様に選挙権が18歳以上に拡張されたが、我々日本の若者は平和のためにどのように政治参加すべきか? 既に自分がどのように参加しているか?

 

グループディスカッションでは、議論されておらず。

 

 

(2)仮にトランプが勝ち、米軍が日本から撤退した場合、日本は自国をどのように守っていくのか。(日本は核武装すべきか?自衛隊を拡充すべきか?そして、憲法改定すべきか。)

 

現状ではアメリカの軍隊に頼っており、米軍基地も多くある。それに対して、金銭的サポートを充実させることは許容できるが、と同時に、日本自国を守るためにも自衛隊を強化すべきである。一つの手段として、長年の訓練により技術を培ってきた自衛隊が、警察のように生活に密着した存在になり、テロ行為等があったときに活躍できればよいのではないか。自衛隊の活動をこのような状況に適応させるためならば、憲法の一部の言葉や解釈を変えても良いと考える。

一方、核武装はしない方針で一致した。日本は世界中の中でも唯一、広島・長崎の被曝体験を持つ国である。オバマ大統領が核軍縮を訴えるスピーチしたことも含め、日本が核武装してしまっては元も子もなくなってしまう。抑止力のために武装をさらに強化することは、根本的な問題解決につながらないだろう。

 

 

(3)クリントンとトランプで移民に関する政策がまっぷたつに分かれている(クリントン:移民歓迎、トランプ:移民反対)が、移民と平和の関係はどのようなものなのか。

 

(グループ1)

世界には移民を脅威ととらえている人もいるが、移民受け入れ自体が悪いのではなく、政府が受け入れ体制の基盤を整えていないことに真の問題がある。この体制をより強固なものにすることで、現在抱えている問題も確実に減らせるだろう。ゆえに、グループとしては、移民を受け入れに積極的なクリントンの政策の考えを支持する。一方、トランプは特にメキシコからの移民を受け入れきれないことを見越し、ある意味で合理的な考え方をしているとも言える。しかし、移民の人々を国外に追いやったところで、祖国が彼らを十分に支援できないケースが多い。したがって、アメリカという国で、いろんな性格や人種の人々がそれぞれに居場所を見つけて、幸せに暮らし、共存できる環境が平和につながるだろう。

 

(グループ2)

移民問題という名の、人種差別がある。見た目や人種によって、すでに差別が生まれているアメリカの現状を考えると、国内でのサポートのみで移民が新たな国・環境でより良く暮らすことは難しい。また、ドラッグの持ち込み=メキシコというように、悪いものは外から来るのだという固定観念がどこにも強く根付いているように思う。日本でも、在日韓国人はきちんと申請をしていても日本人とは異なった扱いを受けたり、オウム真理教など国内でも大規模の悲惨な事件が起こった経験があるのに「テロ=外国からやってくる」と、外から来る悪いものを全て排除しようとする考えがあるが、改めるべきではないか。

また、頑張っている移民がいるのにもかかわらず、一部の騒動により、全員が悪いように捉えられるのも良くないだろう。国内の行政的なサポートによって、移民の印象を良くすることはできると思う。

さらに、ドイツの移民受け入れの例を考えてみると、先だった準備もなく、国内問題を抱えたまま大量の移民を受け入れてしまい、それが原因で、移民も移民でない人も苦しむ現状に至ってしまった。このように、受け入れは難しいものだが、一つの国が率先して試行錯誤することで、グローバル的な受け入れ態勢を試みるべきである。

 

 

発表者からのメッセージ

今回の勉強会は、アメリカで初等・中等・高等教育を実際受けたことのある人たちが主導・中心となって、アメリカの政治・政党の構造・仕組みなど概要を始め、現在アメリカ大統領選挙の行方、そしてメディア報道の偏りや一般市民への影響のことまで広い分野の事柄をトピックとして準備しました。先日行われたテレビ討論のことにも触れながら政策を比較することで、わかりやすさと説得力が倍増したと思います。

アメリカ社会での見解は、「中立性が大事、どちらの政治的な色も持たず、自分の意見を公的な場所にて発しない」ことが当たり前と思われがちな日本とは違うように感じられます。しかし、18歳から選挙ができる環境に変わったのにもかかわらず、このままで良いのでしょうか? 発表者のメンバーは、まだ実際の選挙に参加していない年齢であるにかかわらず、それぞれの党首のことも詳しく知り、議論の核の部分の論争も把握し、一つ一つの政策に対して自分の意見を持っており、非常に印象的でした。果たして、私たちは、これだけ政治や選挙と向き合い、過去の首相の提議した政策ごとの賛否両論や核の論点、所属する政党の考え方・思想・理念など、きちんと把握しているか、問うてみるべきだと強く思います。情報を受動的に鵜呑みにするのではなく、新聞、TVニュースや本もクリティカルかつ自発的に読みながら情報を得て、自らで考え意見を持てるよう、意識していくべきだという結論に至りました。

 

 

前述のとおり、今回の勉強会は自分がいかに日本の政治について無知であるか、気が付かされる機会にもなりました。今後、政治に対する姿勢、というものをもう一度考え直していきたいと思っています。

 

 

次回は、「テレジンの子どもたち」パネルディスカッションについての記事を投稿予定です。

ICU祭でも、テレジンの子どもたちに関する展示、講演会を開催いたしますので、ブログをご一読いただいた方はぜひそちらの方にも足を運んでいただけると部員一同、嬉しく思います。

 

それでは、またお会いしましょう!

 

 

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